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VR/ARの未来

最先端の光学領域VRが比類なきイノベーションを生む

OPTIS Japan株式会社

産業用VRソリューションで圧倒的シェアを獲得

2016年は、「VR元年」と言われるように、Oculusの「Rift」をはじめ、ソニーの「プレイステーション(R)VR」やHTCの「Vive」など、一般消費者向けのヘッドマウントディスプレー(HMD)が次々と発売され、VRの世界はいよいよ身近なものになってきた。一方で産業用VRについては、市場形成こそいまだ途上であるが、自動車メーカーをはじめとした製造業における産業用VRソリューションの活用が期待されている。

こうした中、世界に先駆けて光学解析に基づいたシミュレーションを提案したリーディングカンパニーとして、欧州や米国の産業界で確固とした地位を築き、製品レベルでの産業用VRの提供で高い評価を受けているのが、フランスに本社を置くOPTISグループだ。同社は1989年に、光学システムにおける測光シミュレーションとレーザー伝播(でんぱ)の計算を可能にした初のソフトウエアをリリース。1998年には、世界最先端の機能を備えた3次元光学解析ソフトである「SPEOS」商用バージョンを発表。以来、現在に至るまで、同社の提供するソリューションは、自動車や航空機、建築や精密機器など、世界50カ国2,400社に採用され、モノづくりの世界に新風を巻き起こしている。

2008年12月、OPTISグループは、「世界最先端の3次元光学解析ソフトで、製品開発環境に圧倒的な革新をもたらす」というメッセージを日本国内のマーケットへ直接届けようとOPTIS Japan株式会社を設立した。芳村貴正代表取締役社長は、市場におけるOPTIS Japanの位置付けについて、次のように話す。

「お客様は、自動車産業が中心となっています。近年、コンピューターグラフィックス(CG)の精度向上により、自動車産業における開発事業の多くが、バーチャルでできるようになっています。しかし、光と音についてはバーチャルでの再現が難しく、実際にモノを作ってみないと分からないといわれてきました。そこで、弊社の3次元光学解析技術を利用することで、従来は難しいとされていた『光』に関する部分、分かりやすい言葉にすれば『モノの見栄え』についても、バーチャルでの開発が可能になったのです」

VRに圧倒的リアリティーをもたらす「光」の再現性が強み

OPTISの提供するソリューションは、製品開発から生産まで、「光」に関わる技術項目をバーチャルに検証できるソフトウエアだ。そのコアとなるのが、3次元光学解析ソフトである「SPEOS」である。このソフトウエアは、「光学領域から開発されたVRである」と芳村氏は解説する。

「産業用VRについては、CGから来たVRソリューションが中心ですが、弊社の『SPEOS』は、光学領域から来たVRソリューションであることが最大の強みです。例えば、VRにおけるレンダリングは、CGによって具現化されたイメージです。従来の技術では、そのレンダリングに不可欠な『光』という要素についての再現性や最適化は、たいへん難しいものでした。しかし、『SPEOS』は、この光について、反射具合、まぶしさ、モノに対する透過の具合などについて、世界最高レベルの再現性を誇り、究極のリアリティーを提供できるソフトウエアなのです」

「SPEOS」は、3DCADと連動して逆光やゴーストといった課題を簡単に検証できる「LM」、光学要件を満たしたレンダリングで見栄え評価にも対応する「VE」、簡単に光学シミュレーションも可能な光学設計システム「OSD」、そしてバーチャルで照明の数値解析や見栄えなどの評価が可能な「SPEOS-VR」という、4つのツールで構成されている。これらを駆使することで、これまでのレンダリングでは再現することが難しかった、自然光から人工光までのあらゆる「光」に関する要素を、極めて精緻かつリアルなレベルで、バーチャルに再現することができるのである。

現在、「SPEOS」は自動車製造業界で多く用いられ、車のライティングデザイン評価、路面配光評価、ウインドシールドへの映り込み、各種スイッチの輝度整合などに活用されている。また、それ以外の業界でも、例えばエレクトロニクス関連ではバックライト設計や各種のライトガイド設計、建築やライティング関連では配光・照度評価や照明デザイン性評価などに用いられ、世界でも極めて高い評価を受けている。

作業する人の疲労具合までシミュレーション可能に

OPTISのプロダクトは「SPEOS」だけにとどまらず、VR技術を用いたさまざまな製品検証のためのソフトウエアが用意されている。なかでも現在、各方面から熱い注目を集めているのが、バーチャル上で原寸の製造・作業工程をシミュレーションできる、完全没入型バーチャルプロトタイピングアプリケーション「HIM」だ。この作業性検証シミュレーションソフトについて、同社の下村将基技術部VR&ソリューションズマネージャーは次のように話す。

「VR空間で作業性の検証を行うためには、製品や環境に関するレンダリングはもとより、そのVR空間の中で活動をする人間のモデル化が必要です。VR空間で活動をするモデル化された人間をマネキンあるいはアバターと呼びますが、『HIM』では、このアバターをVR空間の中に設定することができます。さらに大きな特長として、『HIM』ではVR空間のアバターがさまざまな動作や運動をすると、身体がどの程度疲労するのかをシミュレートすることもできるのです」

これにより、例えば自動車の生産ラインにおいて、生産設備を作る際に、どのような高さでモノを組み付けるように設定すれば、作業する人の疲労が軽減され、かつ最適な作業効率を維持できるかなどについて、イメージや精神論ではなく理論ベースで検証することができるのだという。

OPTISが提供する「SPEOS」や「HIM」は、単なる最先端のVRソリューションというだけではない。それらの先端技術が産業用プロダクトとして製品化されており、すでに欧米で数多くの大手メーカーが導入していることから分かるように、すぐにでも産業用VRとして使える点に最大の強みがある。

これらのプロダクトが製造業にもたらす影響と効果はさまざまだ。まず挙げられるのは開発コストの削減。試作品の光学解析をソフト上で高度に再現し、バーチャル上で試作品の試行錯誤を行えるということは、開発期間の圧倒的な短縮につながる。それはそのまま、試作費や人件費の削減につながる。さらに、製品開発の試行錯誤がバーチャル上で行えるということは、開発に伴うリクスを最小限に抑えるとともに、デザインと設計の統一化を実現し、製品の差別化と向上をもたらすことになる。

それでは、光学解析によるVRプロダクトで時代の最先端を走るOPTISが目指す、次のステップは何かと問うと、芳村氏は次のように話す。

「これからの自動車の設計・開発においては、ドライビングシミュレーターの精度が、より重要になってきます。そこでは、太陽光をはじめとした光に関する問題をどのように解決し、よりクリアで現実的なレンダリングを実現するのかが問われているのです。この部分で、私たちの最大の強みである光学解析の技術を生かして貢献していくことが、次のステップだと考えています」

加えて下村氏は、レンダリングにおける質感を上げ、それをより短期間でシミュレートできることが直近の目標であるとした上で、さらにこう付け加えた。

「その先にあるものとして、人の目からの情報をベースに、モノの質感の差異を、ディテールや空気感といったところまで再現できる、よりリアルなシミュレーションを実現できるようになりたいですね」

光学領域におけるVRソリューションは、世界的にもOPTISの独壇場であり、今のところ競合となるような企業は国内外に見当たらない。オンリーワンのソリューションで、産業用VRの先駆けとなっている同社のこれからの動向は、まさにVRの未来の姿そのものであるといえるだろう。

■トップ画像
代表取締役社長 芳村貴正(写真左)
技術部VR&ソリューションズマネージャー 下村将基(写真中央)
管理部シニアマネージャー 竹谷剛(写真右)

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