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VR/ARの未来

VR市場創造をけん引する「世界一の企画人財チーム」

LIFE STYLE株式会社

Googleストリートビュー事業を柱に創業

何年か前に映画やテレビやゲームといった分野において3Dがもてはやされたが、現在まさに「旬」を迎えているのはVR(仮想現実)/AR(拡張現実)だ。特にゲームの分野において大きな潮流となってきているが、実はこうしてブームの様相を呈する以前からインターネット上でVRの草分けともいえるサービスを展開し、世界中から高い支持を獲得してきた企業がある。

それは、誰もがその名を知っているであろうGoogleだ。まったく訪れたことがないどころか、文化や風習が違ってイメージさえ抱きづらい異国の街であっても、ネット上で手に取るように雰囲気を把握できるGoogleストリートビューは、明らかに現実の世界をバーチャルに体験できるものといえよう。

この革新的なメディアは、単に道路や街並みに関する画像情報をグローバルに発信しているだけにとどまらない。飲食店や小売店、ヘアサロン、ホテル、教育施設などは、建物の外観のみならず、360度にわたる内部のパノラマ画像も閲覧できるようになっている。それらを目にした人たちが現地の状況をリアルに体感できるので、集客力アップに結びつきやすい。ただし、意外とその事実は世間に周知されていなかった。

「Googleストリートビューの課題は、とても素晴らしい集客ツールだが、多くの施設の元に届いていないこと。たとえば、有名レストランに例えると一流シェフがおいしい料理を創り出していても、それをきちんとお客様のところに届けるウエーターやウエートレスが必要ですね。だから、僕たちが一流として届ける役割を果たそうと思いました」

こう語るのは、創立から3年足らずにしてVRの領域でめきめきと頭角を現してきたベンチャー・LIFE STYLE株式会社の冨山亮太事業統括本部長だ。同社は創業後の第一の柱として位置づけたGoogleストリートビュー事業を瞬く間に収益化し、わずか5人のメンバーでいきなり年間1億2,000万円規模の売り上げを獲得したという。

「永田雅裕代表取締役社長は営業コンサルティングの経験があり、もともと当社は非常に営業力のあるチームとして設立されました。そのうえで当社が掲げたのは、『世界一の企画人財チーム』をめざすというビジョンと、『感動を起こす』というミッションです。Googleストリートビューはこのミッションにも合うし、すでに完成されたサービスでした。後はこれをどう市場に広めていくか、という段階だったといえます」

自社営業から代理店を通じた展開に発展

創業当初から世界一をめざすのは唐突のようにも思われるが、LIFE STYLEの設立メンバーたちは決して大風呂敷を広げたわけではない。スタートアップ時からグローバルなスケールでビジネスを展開することを大前提としており、先々において世界の第一線で活躍している人たちと接した際に、「僕たちは○○の世界一なんですよ」と自己紹介し、彼らと対等な立場で会話できるようになりたいからだと、冨山氏は説明する。

世界一となるためには、取り扱う商材も世界一のものでなければならない。世界的に展開し、市場規模も大きく、高い集客力を誇るもの。さらに、LIFE STYLEがアーリーアダプターとなるためには、相応の参入障壁もあったほうがいい。

「条件を満たすものを求めて、ググってみたところ(笑)、『Googleこそが世界一である』とあらためて痛感しました。そこでGoogleが抱えている商材について詳しく調べてみたら、実に約80種類以上にも及ぶことがわかりました」

その代表例が、ネット広告のGoogle AdWordsであり、LIFE STYLEが着目したのがGoogleストリートビューだった。2014年3月に事業を立ち上げた当時、すでにGoogleストリートビューの日本国内版を手掛けている会社は20社程度に達していたという。ところが、代表永田氏がそれらを片っ端から訪問してヒアリングしてみると、口をそろえるように、「Googleストリートビュー自体はすごく面白い。だけど、もうかるビジネスではなく、収益化は難しいよ」との答えが返ってくる。

だがそうした声を聞き、「これはビジネスにできる」とLIFE STYLEの創業メンバーは確信したという。彼らは営業力を武器としていたので、「要は売ればいい」と考えたわけだ。現に、前述したようにごく短期間での収益化を実現した。

「Googleストリートビュー事業が内容的にも収益的にも面白いということがわかったので、当社だけにとどまらず、新しい有力な商材を求めている全国の企業にも伝えていくべきだと思いました。そこで、2015年の9月から、全国に販売代理店を広げていく活動にも着手したのです。それは、僕らが確立した撮影手法や営業手法を伝授するというサービスです」

現在までに150社以上が代理店契約を結んでおり、各地で店舗への営業活動と撮影を行っている。LIFE STYLEは各地の代理店が撮ってきた画像を編集し、Googleストリートビュー上にアップする作業を担っている。同社のビジネスモデルに賛同した企業が支払う研修費用と画像編集費用という新たな収益源を開拓したのだ。

新規事業「Flic360」でVR市場をけん引する

LIFE STYLEが目覚ましい成長を遂げる一方で、世の中もどんどん先に進んでいく。冒頭でも触れたように、ちまたではより臨場感にあふれたVRを体験したいというニーズが高まってきている。

「2015年の11月ごろからクライアントニーズに変化が生じ、360度の動画を撮影できないかというご要望が増えてきました。そんな折にGoProという多目的カメラも登場したので、最新の映像機器を活用し、独自の改良も施しつつ新規事業を立ち上げました」

それが「動画を超えた360度のプロモーション」と銘打った「Flic360」というサービスだ。特定のWebサイトはもとより、YouTubeやFacebookといった SNS上、あるいはオフラインのイベント会場での公開など、さまざまなシーンに対応した360度パノラマ動画コンテンツの企画・制作をスタートさせたのである。

「新規事業においても当社の大きな強みとなっているのは、Googleストリートビューを通じて国内150社以上にVRクリエイターたちのネットワークを築いていることです。海外にも3,000社以上とつながりがあり、国内外での撮影に関してワンストップで対応できる体制を整えています」

Googleストリートビューが登場した2007年ごろからパノラマ撮影自体は存在したものの、当時はまだ静止画像が中心で、動画の需要はここ数年でにわかに拡大した。それだけに、拡大の一途をたどるニーズに対してVRクリエイターの数は不足している。その点、LIFE STYLEはGoogleストリートビュー事業を通じて全国に200名前後のカメラマンと交流を保っており、海外にもネットワークを構築してきた。今後、VRがさらに隆盛を極めていけば、同社のファーストムーバーアドバンテージはいっそう拡大しそうだ。そうなると、「世界一の企画人財チーム」というビジョンはかなり現実味を帯びてくる。最後に、冨山氏はこう熱く語った。

「VR/ARが世の中にどのような影響を与え、どういった変化をもたらしていくのか、本当のことはこの市場に関係する人たちでさえ、明確にはわかっていません。そういった意味では、僕たち自身がVR市場を創っていかなければならないと思っています」

今後は、築き上げてきたVRクリエイターのネットワークを活かして、市場の360度撮影したいという企業のニーズとクリエイターとして収益化したいという方々のニーズをマッチングするプラットフォームの提供にも挑戦していきます。

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