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ロボットの未来

ロボットによるホワイトカラー業務改善で、あらゆるビジネスシーンに変革を

RPAホールディングス

24時間、ミスなく働くデジタル・レイバーで単純作業から解放

労働力人口の減少、働き方改革による生産性向上の必要性から、世界的にRPA(Robotic Process Automation)が注目を浴びている。このRPA領域を日本でけん引しているのが、RPAホールディングス株式会社だ。

「われわれは元々、ホワイトカラーの定型業務を自動化するソフトウエア、いわゆるデジタル・レイバー(Digital Labor)に着目して、2008年にビズロボの事業を立ち上げました。生産ラインのブルーカラー業務がロボットに置き換わっていったのと同じことが、ホワイトカラーの分野でも近々起こる。そう考えたのです」

そう語るのは、RPAホールディングスの高橋知道代表取締役CEOだ。デジタル・レイバーは主にバックオフィスでのホワイトカラー業務代行として活躍する。人が行っていた処理手順を画面上で登録するだけでインターネット上の情報、社内データ、エクセルなどの保存データから必要な情報を収集、加工、集計、保存、スキャニングするなどの定型作業を正確にミスなく、24時間いつでも行うことができるようになる。人は単純な事務作業、確認作業から解放され、よりクリエーティブで主体的な働き方が可能になる。こうしたテクノロジーの進化・普及は「RPA」というキラーワードとともに世界に発信され、大きな注目を集めるに至っている。2016年までの取引先は100社、納入台数も4,000台ほどだったが、この1年ほどでパートナー網も一気に確立して、今や導入台数は4万台以上に増えたという。

「当社への問い合わせもこの1年で8,000件近く来ています。こうした状況は間接部門にデジタル・レイバーが行き渡るまで、つまり、あと1~2年は続くのではないでしょうか。裏を返せば、あと1〜2年でRPAは一般的なものとなり、どこでも当たり前に触れられるようになる、ということです」と、同社取締役であり、グループ会社のRPAテクノロジーズ社の代表取締役社長も務める大角暢之氏は語る。

その頃には「若手社員が誰でもロボットを扱い、マネジメントできるようになっている」というのが氏の見立てだ。実際、RPAブーム、そして昨今の人工知能(AI)ブームに乗ってプレーヤーが一気にさまざまな領域で動き出していると言う。

「RPAはシステムと違って、複雑なプログラミングの知識や技能を必要としません。例えて言えば、エクセルのようなものです。誰もがマクロ機能まで使いこなせるとは言いませんが、簡単な表計算程度なら誰でもできます。新しいツールが出現して普及していくとは、そういうことです。先入観のない若手ほど、どんどんロボットに慣れていくでしょう」

自社の課題解決にどう活用すべきか、学び検討するフェーズで多くの登録会員を集めるRPAメディア

普及の度合いを別軸でみると、現時点でRPAへの大きなニーズを持つ大手企業が日本には数千社あるが、既にRPAを導入している企業はそのうちの7%にとどまると見られている。そして導入済み企業のうち、RPAホールディングス社が持つシェアは7~8割ほどだという。

「今後RPA領域に参入してくる企業の数を考えると、シェア比率は下がってくるとは思います。これからはデジタル・レイバーが技術からツールとなって、業種・職種を問わずホワイトカラー業務にあまねく広がっていく、そこでの勝負となります」と高橋社長。

インターネットの出現期には、企業にとってインターネットがビジネス・ツールとなるまでに5年ほどの時間を要した。組織をつくり、責任所在を明確にし、コンプライアンスを構築するだけで、それだけの時間がかかるという。では、RPA はこれから5年で何が起きるのだろうか?

「誰もが当たり前のこととしてロボットを使うようになるでしょう。業種、職種、役職を問わず、『一人一台』の時代がやってきます。ロボットを一度使って、単純労働の省力化を体験したら、もう元には戻れません」

導入時のモチベーションとしては、経営サイドのコスト意識が大きいが、現場での歓迎ムードが背中を押すのだそう。人手が足りない現状において、例えば営業であれば見込み客のアタックリストを片っ端から当たっていくような単純作業はロボットに任せればよい。それ以外にやるべき仕事はいくらでもあるし、働き方改革のもと、より少ない労働時間で結果を出すことを皆求められている世相にもマッチしている。その意味では、いわゆる人工知能(AI)のシンギュラリティー問題のように「自分の仕事が奪われる」といった恐怖は、RPA導入の現場にはないようだ。より高度な作業、結果につながる仕事へのシフトはそれぞれの現場で自然と行われていく。

RPAの恩恵はこれだけにとどまらない。正確かつスピード感ある作業がもたらす優位性がビジネス面での大いなる武器となるケースも出てきている。ある住宅ローン幹事会社の例では、ローンの条件込みで住宅販売を行う工務店に対し、融資可の返答を他社よりも早く行うことで成約率を上げている。こうした申し込み書類のチェックというのはこれまでは人海戦術で、開封して書類に不備がないか、住民票は添付されているかなど、人の手と目で一つ一つ行われてきたものだった。

「こうした時間短縮はあらゆる産業に適用できるはずです。現場のオペレーション担当者が見ればアイデアが湧くでしょう。われわれのデジタル・レイバーで培ったノウハウと、さまざまな現場のアイデアの掛け合わせが新たな事業創造につながると期待しています」

自社のサービスや現場作業にどう取り入れられるかの注目も熱い。同社で2017年4月に立ち上げたRPA・エンタープライズAI関連の情報提供メディア「RPA BANK」の登録会員は5カ月足らずですでに1万人を超えるそう。フロント、マーケティング、R&D、エンジニアリングなど、さまざまな部署の担当者が最新のRPA事情を理解しようとしている証だ。2017年7月に初めて開催したリアル・イベント「RPA SUMMIT 2017」も2,000人もの聴講者を集めた。グローバル全体の市場規模にして600兆円を超えるともいわれるRPA は、すでに世界中から期待を寄せられる存在となっているのだ。

手足となる作業ツールから知能、認識力を加えて、プラスの恩恵を積み上げる

ホワイトカラー業務の人間からロボットへの置き換えは、現状どの程度まで進んでいるのか。最先端の現場を率いる大角氏によれば、「現状は定められたルールにのみ従って動くだけで、人間でいえば手足というところ。そして始まっているのが目や脳にあたる認識、知能領域への進化ですね。ビッグデータを解析して作った予測アルゴリズムを加えて、流通やデータのトランザクションボリュームの多いような分野での需要~欠品予測や故障~不正検知などに生かされています」ということだ。つまり、今日はこの商品が欠品するだろうという予測がメールで送られ、それを受けて購買担当が発注をかけるのだが、その発注さえもロボットが行うようになる。これが知能の部分。この商品の一例はすでに「ブレインロボ」という形になっている。コンビニで例えれば、ビズロボがバイトで、ブレインロボが店長。一定レベルの責任を負えるまでの開発が実現していることになる。

認識の部分では、前述の申し込み書類のチェックなどがこれに当たるが、大角氏はここでも一定の成果をあげているという。「例えば、申込書・本人確認書類が1日5,000セット届くとして、これまでは開封から中身の振り分けという、電子データになる前のプロセスにおける作業を行うだけの事務職を採用する必要がありました」

これを解決するために同社が推進しているのが、スキャンロボだ。この作業をロボットに置き換えたいというニーズを持つ企業には相当なインパクトがある。機械学習による書類の自動仕分け、非定型書類の認識およびデータ抽出、と言葉にするのは簡単だが、住民票ひとつとっても自治体ごとにフォーマットがばらばらで、しかもコピーガードまでかかっている。だが、大角氏は「スキャンロボがそれらを見分ける目を持ったように、コグニティブな進化が今後も続いていくでしょう」と自信をのぞかせる。スマートスピーカーやチャットボットなど、外のテクノロジーとの掛け合わせでロボットによる代行業務の範囲は広がり、「少なくとも今の人間と同じレベルまでの代行は100%近くまでできるようになります。ロボットは、とことん進化します」と大角氏は言い切る。こうした状況下で同社が目指すのは、極めてシンプルなビジョンだ。

「単純作業に多くの人のエネルギーが無駄に使われているマイナスをゼロに持っていく、それが今のフェーズです。でも本当に求めているのはその先、ゼロからいかにプラスを積み上げていけるかが当社の事業だと考えています。単なるRPAの普及などではなく、デジタル・レイバーをさらに優秀にして、業務的色づけなども進めて、より収益をもたらすようなサービスをつくっていきたいと考えています」

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