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ヘルスケアの未来

【イベントレポート/後編】「人生をITでサポートする ヘルスケア・医療のこれから」
「スポーツ」「救命」「生命保険」の観点から見る、ヘルスケアの現在地と未来

BizReach Frontier編集部レポート

3つの観点からヘルスケアの未来を考える

2018年9月13日(木)、MIJS(Made In Japan Software & Service)コンソーシアム主催のイベント「meetALIVE Vol.4『人生をITでサポートする ヘルスケア・医療のこれから』」が開催された。「BizReach Frontier」では、このイベントの模様を前編と後編に分けてレポートする。

【パネリスト】
・NPO法人スポーツセーフティージャパン 佐保 豊氏
・Coaido株式会社 玄正 慎氏
・メットライフ生命保険株式会社 宮本 繁人氏

今回のイベントには、活動領域はそれぞれ異なるものの、「人生をITでサポートする」という同じ志を持った3名のパネリストが登壇した。

〈前編〉の記事では、「スポーツ」の世界を舞台に活動する佐保豊氏(NPO法人スポーツセーフティージャパン)、新しい「救命」の仕組みの実現を目指す玄正慎氏(Coaido株式会社)のプレゼンテーション内容を紹介した。

【イベントレポート/前編】「人生をITでサポートする ヘルスケア・医療のこれから」 「スポーツ」「救命」「生命保険」の観点から見る、ヘルスケアの現在地と未来

今回の〈後編〉の記事では、宮本繁人氏(メットライフ生命保険株式会社)のプレゼンテーション内容、および、「ヘルスケアの未来」をテーマにしたパネルディスカッションの模様を紹介する。

人生100年時代、生命保険会社の新たな使命

・宮本繁人氏(メットライフ生命保険株式会社 カスタマーストラテジー本部ヘルスイノベーションDirector/写真右)

宮本氏は、「生命保険」会社の立場から、ヘルスケア業界のイノベーションをリードしていくビジョンについて語った。

人生100年時代、生命保険会社の在り方は大きく変容しつつある。近年ではテクノロジーの進歩によって、顧客が自らの健康状態を把握できるようになってきている。すると、健康な人は、毎月の保険料を高いと感じるようになるかもしれない。アメリカでは既に、「個々人の健康状態によって保険料が変動するべきなのでは」という新しい発想が生まれているという。

それでは、新しいテクノロジーが個人の健康に介入する時代に、生命保険会社が果たすべき役割とは何か。宮本氏は、それは単に「万が一」に備えた相互扶助の仕組みを作ることではなく、その「万が一」を未然に防ぐためのきめ細やかなサポートを行うことであるという。

それでは、メットライフ生命保険ではどのような取り組みをしているのだろうか。

「私がディレクションしているヘルスイノベーションのチームでは、顧客の健康な生活に寄り添うためのテクノロジーの在り方を模索しています。たとえば、ウエアラブルデバイスによって顧客の健康状態をモニタリングし、その結果を受けて、生活改善に導くことができます。ブロックチェーンから人工知能(AI)まで、将来的に活用できるテクノロジーの幅はとても広いといえるでしょう。『2025年問題』といわれているように、これから日本が本格的に超高齢化社会を迎えるにあたって、私たちの取り組みが、健康な生活を支える鍵となると考えています」

メットライフ生命保険は、新規事業の創出に積極的だ。同社は、生命保険のイノベーションをリードしていくために、「collab」というビジネスマッチングプログラムを開催している(※2018年9月開催の「collab 4.0」の募集は終了)。保険ビジネスが直面する課題を解決するために、スタートアップ、大企業を問わず、さまざまな企業とのパートナーシップの構築を目指していくという。

「保険業界を驚かせるようなテクノロジーを持った企業には、ぜひチャレンジしていただきたいです」

今後、「生命保険」の領域から生まれていく新しいイノベーションに期待したい。

ヘルスケアの未来をともに照らす仲間を求む

3名のプレゼンテーションの後に行われたパネルディスカッションでは、モデレーター新城氏の司会進行のもと、「ヘルスケアの未来」をめぐってさまざまな意見が共有された。

最も興味深かったのは、「明るい未来を実現していくためには」という新城氏の問いかけに対する3名の回答のなかに、「コラボレーション」「連携」「仲間」という共通点がみられたことだ。

佐保氏:「私たちは、スポーツというアナログな領域をメインに活動しています。しかし、だからこそ、デジタルの領域に強みを持つIT企業と『コラボレーション』していく必要性を強く感じています」

玄正氏:「救命の問題については、この世界に生きる全員が当事者です。私たちの力だけではなく、いろいろな企業と『連携』して、一人でも多くの命を救える仕組みを作っていきたいと考えています」

宮本氏:「ヘルスケアの未来を明るいものにするためには、今動き出すしかありません。顧客の健康な生活に寄り添うためのイノベーションを実現していくために、一緒に新しいサービスを手がける『仲間』を募集しています」

「人生をITでサポートする」仕組みを作るためには、業界を超えた新たなコラボレーションが必要であるということを、今回のレポートを通しておわかりいただけたのではないだろうか。あなたの企業の持つテクノロジー、もしくは、あなた自身が持つスキルや知見が、未来のヘルスケアを明るく照らす鍵となるかもしれない。

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「BizReach Frontier」では、これからも最先端のテクノロジーや、それにまつわる企業について紹介していきます。テクノロジーの進歩に合わせて、これからの時代にどのようにキャリアを築いていくか、一緒に考えていきましょう。

取材・文:松本侃士(BizReach Frontier編集部)
撮影:武市真拓(集合写真家)

(記事掲載:2018年10月15日)

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