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FinTechの未来

ブロックチェーン技術を活用した、日本から始まる未来のお金「c0ban」

株式会社LastRoots

ブロックチェーンで「広告」のあり方を根底から変える

ビットコインを生み出した謎の開発者、サトシ・ナカモト氏は「インターネット誕生以来の革新的なテクノロジーを発明した」ともいわれている。そこに使われているのが「ブロックチェーン技術」だ。ブロックチェーンは、簡単に言ってしまえば、皆で監視しあう分散型のシステムのこと。中央集権を置かず、世界中に点在するコンピューターにデータを分散することで、破壊・改ざんが困難なネットワークを作る技術である。

この技術を用いることにより、銀行などの第三者機関を通して行わなければならなかった金融取引が、第三者機関を通さずに買い手と売り手が直接取引できるようになる。そのため、仲介や代行といった中間レイヤーとしての金融機関の存在が不要となり、今まさに金融業界にブレークスルーを起こそうとしている。

今回紹介するのは、そんな最先端のブロックチェーン技術を活用して株式会社LastRoots(http://www.lastroots.com/)が構築した新仮想通貨「c0ban」と、同時にリリースを予定している「c0ban広告」だ。これまでの広告は、広告主がお金をかけてバナーやランディングページ、動画などを制作し、消費者に届けてきたが、広告を見る消費者には「無料の情報」という価値しか提供されることはなかった。

しかし「c0ban広告」は、企業が提供する動画を見るだけで、仮想通貨の「c0ban」がもらえるような仕組みを作り上げた。企業が広告を見てくれた消費者に「c0ban」を送り届け、消費者はc0banで広告主の商品やサービスを利用できるwin-winの関係となる。潜在顧客を事前に囲い込むことができるようになるのだ。

この革新的ともいえるアイデアは世間からも大きな注目を浴びている。2016年9月に開催された日本経済新聞社と金融庁共催の「FINTECH SUMMIT」において、IBM社からBlue Hub Awardを受賞。IBM社の支援・協力のもと、事業展開を図っていくという。また、「c0ban」のクラウドファンディング(https://c0bantrade.jp/ja)は2016年10月5日時点で1億1,000万円を超える支援を集め、国内におけるこれまでの記録を更新している。

LastRootsの小林慎和代表取締役は、「ブロックチェーン技術の特徴の一つは、手数料などをほぼ必要とせず、少額でも瞬時に送金できる点です。そこで、広告主が直接消費者へ価値を届けるプラットホームとして『c0ban広告』という世界初の仕組みを構築しました」と、その動機を語る。

「c0ban」を獲得した消費者が「c0ban」を活用して決済してくれれば、「c0ban」は広告主の手元に戻ってくる。「c0ban」は経済サイクルのなかを半永久的に循環し続けるため、効率的な運用ができれば広告費を実質ゼロにまで近づけることができるようになる。また、もう一つの画期的な仕組みについて、小林氏は次のように話す。

「普通、財布の中の千円札が、どのように自分の元に巡ってきたかはわかりません。ですが、『c0ban』ならそれに色を付けられる。つまり、ユーザーがどの企業から『c0ban』を得ているのかわかるわけです。そうしたビッグデータを蓄積してデータベースを作れば、それ自体が価値を生み出してくれるようにもなります」

もちろん、クライアントは飲食店なども該当するため、クーポンサービスが競合になりそうだが、ここでも「c0ban広告」は強みを発揮する。現在、飲食店は媒体側に広告費を、消費者側には割引を提供する二重苦になっているが、「c0ban広告」であれば、初期の広告費しかかからず、かつ投資した広告費を回収することもできるというメリットがある。さらに、ブロックチェーン技術を活用することで、決済手数料を極限まで抑えることが可能。消費者の手元にあるスマートフォンなどを使えば、動画を見て、ゲーム感覚で「c0ban」を稼ぐという、スマートフォンが始まって以来の革命を起こすことになる。

スマートフォンの次の変曲点がブロックチェーンだった

4年前からシンガポールでビジネスをしていた小林氏だが、LastRootsは東京で起業している。技術やトレードマーク、集積地など、新しいサービスに寛容なのはシンガポールであるはずだが、あえて日本で起業したのには訳がある。

「そもそも、なぜ起業したかといえば、会社の規模を大きくして社会を変えたいという思いがあったからなんです。でも結局、変曲点がないと実現はなかなか難しい。スマートフォンが2011年ごろに普及して、次の変曲点を狙っていたのですが、それが私にとってはブロックチェーンだったのです。もともと友人であった当社の上杉柾之COOと再会して、ちょうど彼もブロックチェーンをテーマとしたビジネスを1年ほど模索しているときだったので、2人で協力してやらないかという話になりました。シンガポールの起業経験からいつでも海外展開はできる感触がつかめていたこともあり、あえて東京で起業という選択をしました」

そんなLastRootsを支えるエンジニアは、24歳から62歳という、若手だけでなくベテランも活躍しているのが特徴。高齢エンジニアが活躍できるスタートアップにするのが小林氏の願いでもある。

「ブロックチェーンの土台となるプラットホームの技術は、シニアの活躍の場なんです。たとえば、C++言語で決済関連のシステム構築を手がけてきたエンジニアなどは、チャンスがごろごろ転がっています。PHPやRuby、Swift、JavaScriptといった技術が台頭している現在ですが、C++を扱えることが大きな武器になる舞台がある。ちょっと勇気をもって踏み出せば、今、まさにもう1回、時代の先端に立つチャンスがブロックチェーンの世界には広がっています」

どこにでも入り込め、ありとあらゆる隙間にこの技術は入っていく

今後は、同じく爆発的な普及が期待されるIoT技術などとブロックチェーンが組み合わさることで、手元にお金を持たない未来が到来するかもしれない。実際、ブロックチェーンが世の中で広まることにより、どのような変化がもたらされるのだろうか。

「ブロックチェーンや仮想通貨革命がすごいといわれていますが、ブロックチェーンが何と比べてすごいのか。その対象はインターネット革命だと考えています。それをしのぐからすごいといわれているわけです。

ただ、インターネット革命とは何かを正確に言い表せる人は意外と少ない。産業革命が1の力を100倍に増幅することを可能にした革命ならば、インターネット革命は100の力を1つに凝縮できるようになった革命なんです。

しかし、インターネットで膨大な情報やシステムを作り出すためには、それ相応のサーバーやデータベースなどが必要になります。ただ、分散型ネットワークの代表格であるブロックチェーン技術を活用すれば、そうした大規模サーバーなどを設ける必要もなくなる。空気のようにどこにでも入り込め、ありとあらゆるところの隙間に存在できるようになる点がさらに革命的なんですね」

シリコンバレーでは数年前からブロックチェーン技術を利用したスタートアップ企業に年間数百億円以上の投資がされ、技術革新が促進されている。対して日本ではまだ注目度は決して高いとは言い切れない。そうしたなかで、LastRootsが生み出す「c0ban」がどれだけ市場から受け入れられるのか。その未知数の可能性に挑むLastRootsに今後も注目し続けたい。

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