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FinTechの未来

ビットコインとブロックチェーンの二刀流で、世界を変える

株式会社bitFlyer

目指したのはビットコインのエコシステム

2017年は「仮想通貨元年」ともいわれる。2017年の4月からいわゆる「仮想通貨法」が施行されたこともあり、大手家電店が決済サービスを始めるなど、日本でのビットコイン(Bitcoin)の普及もいよいよ本格化しそうだ。日本ではマウント・ゴックス事件の影響もあり、一時期はネガティブなイメージを持つ人も多かったビットコイン。しかしFinTechに注目が集まり、法整備も進んだことで、今や第二のブームともいえる状況になりつつある。さらにビットコインを支える技術、ブロックチェーンにも社会の仕組みを変える革命的な技術として、大きな期待が集まっている。

bitFlyerは、2014年に日本初の国内向けビットコイン販売所をオープンさせた、この分野のパイオニアだ。日本におけるビットコインの普及や環境整備の中心的役割を担い、ムーブメントをリードしてきた。三菱UFJキャピタル、SBIインベストメント、GMOペイメントゲートウェイ、電通デジタル・ホールディングスなど名だたる企業から出資を受け、急成長中の注目企業。そして、同社の技術領域を牽引するのは、小宮山峰史取締役CTOだ。

「私は長年、ゲーム会社や外資系証券会社でプログラミングや決済システムの構築に携わってきました。3年前に代表の加納とともに会社を設立したときは、ビットコインのことは世間ではまったく知られておらず、私自身もほとんど知識を持っていませんでした。それが今では通貨としての価値を持ち、決済手段として使われるようになっています。日本でもユーザー数やトレード量はものすごい勢いで増えています。いずれはJR東日本のSuicaのように、誰もが気軽に使えるものになることを期待しています」

bitFlyerが運営するビットコインの取引所・販売所は日本最大級であり、ビットコインの購入・売却はもちろん、クラウドファンディングやアフィリエイト、事業者向けEコマース決済サービス、仮想通貨に関する情報メディアの運営など、ビットコインのプラットフォームとして総合的なサービスを展開している。

「これだけすべてやっているところは世界でも珍しいと思います。私たちが創業当時から目指していたのは、ビットコインのエコシステムです。とはいえ、われわれが始めたときはビットコインの技術が社会のなかで実際にどのように使われるか誰も分からず、競合もいませんでした。アイデアはあっても、それを実行する技術力を持つところがなかったのです。もちろん、他にプレーヤーがいなかったので、bitFlyerがすべてやらざるをえなかったという面もありますが(笑)」

ビットコインとブロックチェーン、2つの軸で事業を展開

ビットコインのサービスは通常、bitcoindというオープンソースを使って提供する。しかしbitFlyerではビットコインのプロトコルを理解したうえで一からコードを書くことで、分析機能を追加したり、スピーディーなサービス開発につなげたりしている。ビットコインの取引を可視化してリアルタイムで表示する「チェーンフライヤー」などは、独自技術を持つbitFlyerだからからこそできるサービスだ。

国や銀行といった管理者が存在しないビットコインは、個人間で手数料なしに直接送金できることが最大のメリットだ。そのため「今後、新興国などではビットコインが自国通貨に置き換わる可能性がある」と言う人もいる。そのようなビットコインの中核となる技術が、ブロックチェーンだ。その可能性に早くから着目し、研究を続けてきたbitFlyerでは、すでに独自のブロックチェーン「miyabi」も開発している。ビットコインが1秒に7トランザクション(取引)なのに対して、独自のコンセンサスアルゴリズム「BFK2」を使う「miyabi」は、1秒間に1,500トランザクションもの処理が可能だという。

「金融や巨大なインダストリーでは1秒間に500や1,000トランザクションの需要は十分あります。ブロックチェーンを使えば、従来のままだと多大なコストがかかって実現できなかったことが可能になります。例えば24時間365日、ダウンすることのないシステムを構築するには現状では数十億円のマシンを導入する必要がありますが、miyabiのようなブロックチェーン技術を活用すれば、安価で同様のシステムをつくることができるのです」

ブロックチェーンはたとえ管理者であれ、誰も改ざんすることができない電子情報を記録する画期的な仕組みである。そのため金融の世界に限らず不動産業やIoT、シェアリングエコノミーなど、幅広い分野での応用が期待される。また行政分野では、ブロックチェーンを使うことで、さまざまなシステムが自動的にマイナンバーを照合し、免許証やパスポートの携帯が不要になったり、ボタン一つで住民票がスマホに送られたりすることも可能になるという。ビジネスや社会のあり方そのものを、中央集権的なものから自律分散型のものへと変えうる、非常にインパクトのあるテクノロジーだ。

「bitFlyerはビットコインとブロックチェーンを、それぞれ独立したビジネスとして捉え、展開してきました。すでに確固とした技術が確立され、応用、実用の段階にあるビットコインと違い、ブロックチェーンにかかわるビジネスは、まさにこれからプロダクトをつくりあげる段階です。そこで使われる技術はまだ完全に確立されていません。それだけにこの分野には、いろいろなアイデアを組み合わせて新しいものをつくりあげる、エキサイティングな楽しさがあります」

ビットコインのアイデアは、ブロックチェーンのような分散テクノロジーと暗号学が結びつくことで生まれた。情報学会では20年ほど前からこの手のさまざまなアイデアが出ていたという。もともとマイナーな分野であり、ブロックチェーンに関する研究者や技術者はまだ少ないのが現状だ。

「ブロックチェーンはビジネスより研究開発の対象といった側面がいまだに色濃くあります。弊社のように実際に市場で活用されることを想定したプロダクト開発に携われる機会は、あまりないのではないでしょうか。ビットコインもブロックチェーンも『先行すること』そのものが強みになると考えているので、マネタイズが多少未来の話でも、積極的なチャレンジは続けていきます」

現場で評価されながら、組織に評価されない人材を集めたい

現在、bitFlyerの社員は約43人(2017年4月時点)。うちエンジニアは20人超と半数を占める。専門や国籍は、さまざまだ。暗号学や分散テクノロジーの主要論文はほぼ英語ということもあり、社内でのコミュニケーションには英語もよく使われる。求人を出した際にも「日本人よりも外国人からの応募の方が多いです」と小宮山氏は言う。

「バックグラウンドはさまざまですが、グーグルのCodeJamの世界ランカーや、本職でもないのにJavaScriptを手足のように使いこなす人など、何かしらとがった強みを持った人間が集まっています」

ビットコイン、ブロックチェーンという専門性が高い分野で存在感を発揮しているbitFlyerだが「必ずしも、専門性は重視していない」と小宮山氏は話す。よりチームを強力な存在にするためには「SIerなどである種板挟みとなっているような人材」も必要なのだとか。

「弊社はいろいろなサービスを手がけていて、社内プロジェクトも数多く動いています。限られたメンバーがプロジェクトを複数掛け持ちしながら進めている状態です。そこで必要になるのが、個々の動きを俯瞰(ふかん)しつつ、調整役として機能するプロダクトマネージャーのような存在です。単なる人員管理やリソース管理だけでなく、時には自ら手を動かしつつ、サービス全体の方向性を見ながら機能追加を検討したり、法的な問題がないか確認したりする人です。実はSIerなどにいる優秀なリーダー層は、ここに合致する可能性が高い。いろいろな言い分を聞き、落としどころを決めて、プロジェクトを推進していく。そういう人たちをきちんと評価できるのが、弊社の強みの一つだと考えています」

かつてはSIerでの巨大プロジェクトにも携わり、自分の知恵と工夫でコストを下げたり、パフォーマンスを上げたりすることに喜びを感じていたという小宮山氏。しかし本当にいいものをつくるには、全体像を理解している優秀な人が少数でつくったほうがいいというのが持論だ。

「飛び抜けて優秀なエンジニアが1人いれば、一般的なエンジニアが10人束になってもかなわないと私は痛感しています」と小宮山氏は語る。一方、優秀なエンジニアが正しく、まっとうに評価を受けている組織はごくわずかだ。10点満点で10点の能力があっても、その評価は1.5点や2点がつけられていることも珍しくない。現場では頼られているが、上司からは適切に評価されていない人材を「bitFlyerなら輝かせることができます」と断言する。

「BtoCビジネスの良い点は『手加減する必要がない』ことです。納期も、使う技術も自分たちで決め、事細かなドキュメントも不要です。私も『バグが出なければよい』というメッセージを出しています。何かあれば代わりに私が責任を負います。今までも、そしてこれからも、その姿勢は変わらないでしょう。そのうえで、ビットコインやブロックチェーンという、市場に浸透しきっていない新たな領域で世の中を変えていくチャンスがあります。自分たちの技術やプロダクトが世界のスタンダードになる、その喜び、高揚感は、エンジニア冥利(みょうり)に尽きますし、今までの人生で一番やりがいある環境で働けていることは間違いありません」

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