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未来の「会話」のカタチから見えた、ZEALSが「ぶち上げる」産業革命の可能性とは

株式会社ZEALS

「次なる産業革命を興し、日本をぶち上げる」。たぎるような情熱を感じさせるビジョンを打ち出し、日本中から注目を集めている企業が株式会社ZEALS(ジールス)だ。同社はひと言で表すなら「コミュニケーションを科学する」企業だといえる。Facebook Messengerの台頭にあわせて知られるようになったチャットボットを活用した「会話広告」の可能性を発信し続けるスタートアップだ。

「Forbes 30 Under 30 Asia」、つまりForbesから「アジアを代表する30歳未満の30人」に選ばれた経営者、清水正大代表取締役CEO率いる同社の設立年度は2014年。圧倒的なスピードで現在の地位を築き上げたことになるが、その道のりは清水氏の言葉を借りれば「悪戦苦闘の連続だった」という。人と人をつなぐ会話というコミュニケーションにテクノロジーの力を加え、新たな市場を切り開いているZEALSの挑戦の軌跡を聞いた。

テクノロジーと比較して停滞していた、コミュニケーションの進化

「労働人口がどんどん減少し、国力の衰退が確実視されている日本を盛り上げていくにはロボットの力が必要だ。もともとはそんな思いから立ち上げたのが、このZEALSでした」

清水氏はZEALS設立時の思いをこう語る。とはいえ、清水氏が思い描いていたのは人間の肉体労働を代替するロボットではなかったという。清水氏が当初からこだわっていたのは、「人間とコミュニケーションをとりながら協働できるパートナーを作りたい」という点にあった。

「仕事はもちろん、日々生きていくうえでコミュニケーションは欠かせないものです。インターネットが普及し、スマートフォンが一般化したことで、私たちが取得できる情報量は一気に増えました。しかし、コミュニケーションという観点から見ると、まだまだ数十年前から変わっていない部分も多いと気づいたのです」

清水氏が強い違和感を覚えたのは、セールス職の仕事内容がほぼ変わっていないという点だった。たとえば、これだけインターネットが普及した現代であれば、消費者が自分に最適な保険商品を検索し、自由に選べるようになっていていいはずなのに、「保険営業」という職業は根強く存在しており、消費者からも必要とされ続けている。

「保険商品の営業は商品力もさることながら、『紹介してくれる人物が信頼できるかどうか』が大きなウエートを占めます。つまりインターネットテクノロジーでは解決しきれていない、コミュニケーション上の課題が存在している。もし、人間が持つ『対話の力』を機械に授けることができればどうなるか。その思いがこの会社を起こす原動力になりました」

その思いに突き動かされるように、清水氏は大学在学中にZEALSを起業することになる。だが、ロボットというハードウエアを含めた開発は、スタートアップにとって非常にハードルが高いものだった。ツテもなく、ノウハウも乏しい。先行きがまったく見えない状況に希望の光をともしたのが、2016年にオープン化されたFacebook Messenger、そしてチャットボットだった。

「ロボットにこだわり、小ロットの生産でごく限られた人々に価値を提供するか。それともFacebookという巨大なプラットフォームを活用し、世界13億を超えるユーザーにサービスを届ける世界を目指すか。ZEALSは後者を選択し、チャットボットの開発にすべてのリソースを投下することにしました。そうして誕生したのが、Facebook Messengerを活用した次世代型の会話広告パッケージ『fanp』(ファンプ)です」

相手を知り、最適なコミュニケーションをデザインできる「会話広告」

fanpはリード顧客獲得に特化したチャットボットマーケティングツールだ。この強みは会話を通じて相手を知ることができる点にある。

「fanpは徹底的に『ヒアリングファースト』を追求しています。今の広告モデルは、気になる広告をクリックすると、その概要がドンと出てきて『これはどうですか』という提案が第一になっている。それに対して、fanpはチャットの特性を生かした会話を軸としていて、ユーザーのインサイトをヒアリングしながら、希望や状況に応じた情報を個別に提供できる。どんなものが欲しいのか、ユーザーはどんな人なのかといった情報を取得してから商品なりサービスなりを提案できるので、一般的なWebサイトと比較して圧倒的に多くのユーザーがコンバージョンしてくれるのです」

顕著な例が転職サイトへの会員登録誘導だ。広告でターゲットを呼び込むことに成功したとしても、そこから氏名や年齢、住所、職歴など、入力項目が数十個もある登録フォームを目にして、途中で離脱してしまうケースは非常に多い。その点、チャットボット型であれば、相手から送られてくる質問にキャッチボールのような感覚で一つ一つ返答していく形になるため、情報を入力することに対するハードルが下がるのだという。

「初めて転職する方と、既に転職したことがある方では、転職そのものに対するイメージも違います。初めてであれば手厚くフォローすべきですが、後者であれば煩わしい手間は極力省いた方が望ましいでしょう。fanpであれば、やりとりの冒頭に『あなたは転職経験がありますか?』と聞けば、最適化されたコミュニケーションをとることができます。広告をアドバイスに変える。これがfanpの本質だと考えています」

こうして取得できる膨大な会話データ、インサイトデータから「エンジニア職能の人たちは経験してきたことを細かく聞いても離脱しづらい」といった知見も生まれ、日々新しいコミュニケーションデザインが生まれている。従来、広告の受け皿となっていたランディングページは、デザインなどの工数がかかってしまい、PDCAサイクルが高速で回しづらいというデメリットがある。だがチャットボット形式であれば、会話の内容を切り替えるだけで複数パターンのテストデータが収集でき、どんどん最適化を重ねていくことが可能だ。

「チャットボットの登場により、『コミュニケーションを科学する』ことが容易になりました。LINEなどのチャットベースのUIが一般に浸透したことも、『デジタル空間で会話する』ことに抵抗感が薄れた要因の一つでしょう。2017年には、音声で会話するスマートスピーカーが一気にリリースされましたし、ガートナー社も今後対話型UIが爆発的に普及するはずだと提言しています。チャットボットはますます人々の生活に浸透していくことになるはずです」

モノからコト、そして「ココロ」の時代へ

人工知能、ビッグデータ解析、音声入力など、コミュニケーションに関連するさまざまなテクノロジーが盛り上がりを見せるなか、これまで以上にコミュニケーションのあり方が科学された未来はどうなるのか。清水氏は「ココロの時代がやってくる」と強く語る。

モノがあふれかえり、物質的な欲求は満たされたとしても「自分は何がしたいのか」「今後どうなっていきたいのか」と思い悩む人は多い。そうした人々が求めるココロの豊かさを提供しうるものが会話だというのが清水氏の考えだ。

「人は友人や家族、時には自分自身との対話を通じて、自分がやりたいこと、なりたい像のイメージを強固にしていきます。そうしてやりたいことを見いだした人々は、自ら新しい環境に飛び込み、チャレンジするようになる。この人が持つ対話の力を、テクノロジーに託して、人間の相棒としてより多くの人々に届けることができれば世界はもっと盛り上がる。こうした、意志であふれ、一人一人のココロが満たされた社会をつくること。それがZEALSの目指す未来、産業革命により『ぶち上がった』日本です。そして、そんな未来を一緒に作りたい仲間と出会いたいと考えています」

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