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「小さな世界一を見つけること」。元Googleの伊田聡輔氏が提唱する、キャリア形成の本質と日本のマーケティング

HubSpot Japan株式会社

「元Googleの伊田聡輔氏がHubSpot Japan株式会社(以下、HubSpot Japan)のセールスディレクターに就任」。2017年12月13日に報じられたこのニュースは、大きな驚きをともなって業界内を駆け巡った。

今回の語り手である伊田氏は、Google日本法人(以下、Google)にて、Google Cloudの事業本部長として、インサイドセールス&BDRプログラムを立ち上げただけでなく、セールス部門を1つのチームに統合するなど、組織編成面でも存在感を現してきた人物である。また、Google以前はデル株式会社(以下、Dell)、日本マイクロソフト株式会社(以下、Microsoft)を活躍の場として実績を残してきた。

Dell、Microsoft、Google。伊田氏が渡り歩いてきたこの3社の共通点は世界一の領域を持っているという点だ。Dellはそれまで高価だったPCの価格破壊を行い、PCを文字通り「パーソナル」なものにした立役者だ。MicrosoftはWindowsやOfficeを普及させ、ビジネスのあり方を変容させた。そしてGoogleは「ググる」という言葉にもある通り、インターネット検索を一般的なものにした。こうした世界一を持つ会社に身を寄せてきた同氏はなぜ、次のステージにHubSpotを選択したのだろうか。

米国でHubSpot, Inc.が誕生したのは2006年。「人々のライフスタイルが変化しているにもかかわらず、マーケティングは従来の手法にとどまっているのではないか?」という疑問から創業された企業だ。現在90カ国、37,000社を超えるクライアントが同社のサービスでインバウンドマーケティングを実施しているという。だがしかし、日本国内においてはまだHubSpotの知名度は前述した3社とは比べるべくもない。伊田氏に同社を選択した理由について聞くと「これからは小さな世界一を見つけていくのが大切だと思いますね」と答えた。

学生時代からキャリアを意識し、常に世界一の領域を持つ会社に身を置いてきた伊田氏。そんな彼にキャリア形成とは何か、これからの時代、何を基準に転職を意識すればいいのかを聞いた。

気づけば、常に世界一の環境にいた

——まずは、転職先にHubSpot Japanを選んだ経緯についてお聞かせください。

その経緯には、HubSpotの掲げる思想とステージ、そして僕自身のキャリアという3つの観点があります。

まずは、HubSpotの思想についてお話しします。インターネットが普及し、ユーザーの購買行動は大きく変化を遂げました。では、「その次はどうなっていくのか?」という点についての考え方が、僕とHubSpotで非常に似ており、フィットしていたんです。

インターネットが今ほど普及する前は、テレビ、雑誌、新聞といったいわゆるマスマーケティングをもとに消費者が買うものを選択する時代でした。ところが、インターネットが普及したことで「紙面や枠を買う時代」から「人を買う時代」になってきました。

例えば、ある新聞に広告を出したい企業があったとします。この企業はその新聞に広告を出したいのではなく、読んでいる読者にリーチしたいから広告を出稿するわけです。しかし、その読者がみな自分たちのターゲットであるかは把握できませんよね。

——確かに。以前はこの雑誌や新聞に出稿するステータスを得たいという見方もありました。

その通りです。それは、ブランドや知名度が持つ力が今以上に大きい時代だった、ともいえます。しかし、Googleなどでインターネットビジネスに携わっていくなかで、次の主流はプッシュ型の施策ではなく、インバウンドマーケティングになると思ったのです。このインバウンドマーケティングにおいて、世界最先端をいく企業がHubSpotだと感じました。もちろん、これは高い技術力なくしては実現し得ないものです。

次にステージ。僕が過去在籍していたDell、Microsoft、Googleは多くの方がご存じの企業だと思います。日本で認知されている、かつ、世界的にもプレゼンスを持っている。この3社に勤めたのは偶然だったのですが、この3社全てが世界シェアナンバーワンを獲得している企業です。

加えて、今回のHubSpotもマーケティングオートメーションとして、37,000社が導入している世界シェアナンバーワンの組織です。ただし、日本での知名度は決して高いものだとは言えません。そこで僕は「日本でHubSpotの知名度を高める、普及させる仕事に挑戦したい」と思ったのです。

世界での知名度は抜群。非常にイノベーティブなテクノロジーにもかかわらず、日本ではあまり知られていない。こうした環境で「知られていないモノを知ってもらう」というのは、僕の次のキャリアステージにマッチしたといえます。

——なるほど。

最後にキャリアについて。僕はDellとMicrosoftでマーケティングを担当していました。いわゆるプロダクトマネジャーやブランドマネジャー、マーケティングのチームリードというポジションです。その後、Googleではセールスチームのマネジャーを務めました。HubSpot Japanからのオファーは、この3つのキャリアが全てつながったポジションだったんです。

日本のセールスチーム全体を見る。さらに扱っている商材は僕が身を置いていたマーケティング関連の商材です。Dellで担当したブランドマーケティング。Microsoftで担ったプロダクトマーケティング。Googleで携わったオンライン広告、SaaSの営業。この3つの経験全てを集めたのが、HubSpot Japanのセールスディレクターだなと思ったのです。全て満たしている仕事自体がそう多くないでしょうし、「こうした経験を積んでいる人はそう多くないのでは?」とも思いました。転職する、キャリアを変えるということは、これまでの経験が全てマッチすると感じる瞬間があるから生まれるものだと思うんです。

HubSpotは触れるサービスである

——ここまでの経験を積んできた伊田さんから見て、サービスとしてのHubSpotの魅力をお聞かせください。

「HubSpotの何がこんなにすごいんだ?」ということだと思いますが、逆にちょっと質問させてください。僕が在籍していたDellやMicrosoft、Googleは何がすごいと思いますか?

——会社としての知名度や売り上げでしょうか?

それもあります。ただ、僕は「人々の生活を変えている」からすごいと思うんです。例えば、Dellが登場する以前のPCは一家に一台、一部署に一台といった普及率でした。それが今、PCの価格が大幅に下がったことにより、一人一台が当たり前となっています。

そのPCにWindowsがOSとして搭載され、さらにツールとしてExcelがインストールされることで、統一されたプラットフォーム上で誰もがデータ分析をできるようになりました。これがMicrosoftが世界に及ぼした変化です。Googleも同様です。もし今Googleがなかったら、インターネットで気軽に探しものもできなくなってしまうでしょう。

この3つのサービスに共通しているのは「歯ブラシみたいな感じに、毎日当たり前に使っている」という感覚なのかなと考えています。そして、HubSpotも同じような存在になれると確信しています。それは、ユーザーが「使う」というよりも「触れる」テクノロジーになるからです。

——なぜ、そのような考え方に至ったのでしょうか?

端的にいえば、消費者がインターネットの恩恵を受けて賢くなっているからです。

例えば、クルマを購入するとき。30年前を想定してみると、今と全然購入動線が違いますよね? チラシを読んで、雑誌広告を見て、テレビでCMが流れているのを見て、ディーラーに直接足を運ぶ……こういった流れでしょうか。これらは売り手が出した情報(広告)に触れて、興味が喚起され、購買行動を起こす。そうしたプッシュ型の戦略が成立していた時代です。

ただし、現在は興味を持つ動線はどうあれ、Webでクルマの情報をチェックして、試乗をWeb予約して、クルマのユーザーレビューなども参考にしてからディーラーに訪れるというケースが大半だと思います。

これはつまり、自動車の外観や内装、価格、オプションの種類、ユーザーからの反応など、多くの情報を既に持った状態でディーラーに来店しているということになります。唯一確認できない乗り心地という体験を確かめるために来店しているだけなんです。「なんとなく良いかも」が来店動機になっていたのが30年前だとするならば、現在は「カタログスペックはOK。あとは試乗だけ」という状態までユーザーのリテラシーが段違いに上がっているといえるでしょう。

このようにインターネットがもたらした1番の変化は、売り手と買い手の情報の均衡化だと思います。売り手と買い手で情報格差があったからこそ成立した戦略が、消費者が賢くなったため成立しなくなってきたんです。

長々とお話ししましたが、ユーザーが賢くなるにつれ起きてきた変化があります。それは広告に対する感情です。企業が広く発信している情報がだんだん、買い手からするとノイズにしか思えなくなる。テレビCMが煩わしいと感じたり、ポップアップされる広告をすぐに消したり、雑誌やテレビで特集されているトレンド記事にスポンサーの匂いを感じ取ったり……これらは「見たい何か」に「見たくない情報」をかぶせているから起きることです。そして、「見たい何か」をいつでもどこでも閲覧できるようになったのは、まさに今のインターネット社会が実現したことでもあります。

——確かに、そのように感じる場面は多々ありますね。

2018年現在の消費者は簡単にだまされるほどリテラシーは低くありません。ただし、ユーザー自身が探しにいって見つけたものであれば、僕はそれが広告であってもいいと思うんです。大切なのは、誰かが送ってきたものなのか? それとも自分が見つけたものなのか? という違いです。そのため、現代のマーケティングで必要なのは、2018年に生きているユーザーが消費行動を起こすプロセスにリーチするということなんです。

日本の広告宣伝費は6兆円を超えるとされており、そのなかの2兆円はテレビCMです。では「テレビCMだけを参考にしてモノやサービスを購入しているのか?」と言われるともはやそういった人の割合は低く、明らかにインターネットのレビューを参考にする方が大きく増えたと思います。

そうなれば当然、インターネット上の好意的なレビューを増やすべきだとなる。それはもちろん、お金で買収した虚偽のレビューなどではありません。そして、思わずそれを意図的に促進させるのがHubSpotの技術なんです。

——なるほど。

企業が発信する情報はモノやサービスを売りたいから出すのではなく、自分たちのお客様に対して、必要な情報を提供する、という発想がこれからより大事になってきます。

これが一般化すれば、マスマーケティングを行えるような巨額の広告予算を持っていない広告主が大きな成果を出せるようになりますし、逆に大手企業はブランドを毀損する可能性すらあるマスマーケティングのあり方を考えるようになるでしょう。そうなれば消費者から見てもノイズが減ることになる。

これがまさに、さきほど述べた「歯ブラシみたいな感覚で使っている状態」に非常に近いものです。HubSpotの名前は知らずとも、HubSpotを通じて発信されるインバウンドマーケティングに日々触れることになるだろうと思っています。

——直接的に目に触れるわけではないですが、ユーザーの日常生活に溶け込んでいるサービスになるということですね。HubSpotのサービスを具体的にお聞きしてもよろしいでしょうか。

HubSpotの統合プラットフォームには約70の機能があります。要素分解すると、コーディングなしでWebページが作れたり、SEO、SNS対策、セールスオートメーション、マーケティングオートメーション、顧客管理など多岐にわたります。

これらの機能を備えているサービス自体はそれほど珍しくありませんし、個々の機能に特化したサービスなどは既に数多く存在しています。ただし、これらをまとめて一気通貫で提供しているサービスは決して多くない。これがHubSpotの特徴ですね。

——HubSpotが有する機能を活用することで、現代型のマーケティングが一通り実施できるということですね。伊田さんは、日本企業のマーケティング活動についてどのようなお考えをお持ちでしょう。

日本には数百万という会社が存在していますが、上位1%以外はそもそもマーケティング活動ができておらず、その上位1%ですら、思うようにマーケティング活動ができていないという印象です。その根底にはさまざまな要因が考えられますが、1番の理由は間違いなく人手不足でしょう。

——人手不足という課題をもHubSpotは解決するということですね。

そうです。分断化されている情報を統合するだけで、業務効率は大きく改善されるでしょう。少し話がそれるのですが、Googleのゴールは、ユーザーがGoogleのページに滞在する時間をなるべく短くすることでした。僕はこの考え方がすごく好きです。ユーザーが欲しい情報を最初に届けるという思想ですね。

HubSpotを活用することで、興味があるユーザーが自然とファン化されている状態を生み出すことができるようになります。どの業界であっても大量の広告費を投入したキャンペーン期間中に獲得したユーザーよりも、自然流入してきたユーザーの方がエンゲージ率は高く推移します。これこそが、従来型のマスマーケティングからインバウンドマーケティングが主流になっていくことの証明だと思います。

無期限の有給休暇も取得可能。全ては「Use Good Judgment」という考え方から

——企業がマーケティング、セールス部門の人材難を嘆くのではなく、マーケティング活動を効率的に実践できる。これが、伊田さんが感じたHubSpotの魅力だったのですね。実際、HubSpotに身を置いてみていかがですか。

HubSpotはグローバルで見ると従業員が2,000人弱いるのですが、日本法人はまだ20人程度。ですので、日本の文化作りはこれからというフェーズです。実際、HubSpotの企業文化はまだ感じないといった状況なんです。これからHubSpotのカルチャーを日本流に解釈し、HubSpot Japanとしての文化を作っていくことが大切だと考えています。

——HubSpotの文化とはどのようなものでしょう。

まず、ルールはほぼありません。個々の人物が役割を理解し、実践するため行動するという信頼関係で成り立っています。また、チームや周囲への影響も意識している印象ですね。HubSpotには「Use Good Judgment」という言葉があります。直訳すれば「あなたがいい判断をしなさい」ですが、外資系企業らしく頭文字をとって「UGJしているのか?」といった感じで使われています。

これは何も働き方だけに限定したものではありません。例えば有給休暇。これはHubSpotに入社した初日から無制限に付与されます。理論上は、入社当日からどれだけ休んでもいいということになりますね。

——それは驚きですね。

びっくりしますよね。でも、ある意味では正しいと思いませんか。例えば、会社から有給休暇を20日付与されて全て使用できているかといわれると、おそらく多くの人が毎年きちんと消化し切れていないのではないでしょうか。

——確かに……。結局、普段消化し切れなかった休暇を退職時に使うといったケースが多いように思います。

そうだとすれば、20日でも100日でも同じですよね。現実的に企業が有給休暇を社員に多く付与するデメリットは、そこまで多くないと思います。ただ、100日も無意味に休んだとしたら、当然会社から責任を問われますよね? では考え方を切り替えて、有給を1日も消化せず出勤した社員の成果が出ない場合はどうでしょう。責任を問われないのか? といわれるとそうではありません。やるべき仕事を、きちんとやり切れるなら休んでも良い。そういう点でもUGJの考え方は浸透しています。自分で正しい判断をする、ただこれだけです。

——ちょっと意地悪な感想かもしれませんが、Googleに似ている印象を受けました。

似ていますね。ただし、7万人規模の組織であるGoogleと、2,000人規模のHubSpotが提唱する「Use Good Judgment」は違うと思います。7万人以上の会社ともなると、決め事を作らなければカオスになりますよね。人が増えると、ある人は仕事をデザインし、またある人は仕事をエクスキューションしています。そうした役割分担が大切なんです。

一方、私がHubSpotに身を置いてみて感じていることは、「仕事をデザインさせてくれる会社だ」ということでしょうか。例えば、日本法人にとってどんな仕事が必要なのか。これを実現するために何人のチームにならなければならないのか。そして、いつまでに実現するのか。また、日本法人のオフィスはどんな雰囲気が働きやすいのか。日本流としてどんな福利厚生があればいいのか。これをグローバルから問われています。

大企業の場合だと、グローバル側から方法論を提示されると思います。HubSpotはその逆で「日本でインバウンドマーケティングを定着させるためにはどうすればいい?」という発想で、私たちのアイデアやセンスを取り入れていきたいという考え方なんです。

ポーカーのように、自分の手札から未来のキャリアを考えてみる

——HubSpotの社風についてご説明いただきありがとうございます。では、改めて伊田さんのキャリア感をお聞きしたいです。

大きく年代ごとにキャリアについての考え方が変わってきましたね。まず20代や30代前半といったころは「次のスタンダード」について意識を向けていました。Googleには「歯ブラシテスト」という文化があります。新しいサービスをリリースするときに、ラリー・ペイジから「これは(ユーザーが)歯ブラシのように使うものになるのかい?」と聞かれる文化です。今振り返ると、そうした誰もが自然に使えるサービスに僕は魅力を感じていたのかもしれません。

そして30代後半を迎えてからのキャリアは、自分に足りないものは何か。それを補うための経験やキャリアは何かを軸に考えるようになっていました。トランプに例えると「足りないカードを加えている」ような感覚ですね。今回HubSpot Japanに来たのも、これまでのマーケティングやセールスマネジャーのキャリアから1つ上の仕事ができると感じたためです。ポーカーでいうと、ストレートを作るためのカードが来たというか。

ただ20代、30代のころは、自分がかなえたいキャリアを実現するために、必要なカードがまだそろっていないことが大半、それが当たり前です。だからこそ、若い時期には「自分にはどんなカードが必要なのか?」を想像することが大切なんだと思います。

——引き当てるカードを意識したうえで、行動した実例などはありますか?

もともと、僕は新卒で総合商社に入社しました。そのときに、将来どんな仕事をするにしてもITに関しての知識は持っておかなければいけないと思い、Dellに転職しました。あとは、営業というカードも必要だと思いました。人と人が対面し、何かを結びつける仕事は絶対に必要だなと。

20代のときは、自分に必要なピースを見つけることと、結果的に集まったカードを元に役を作っていくこと、そしてそれぞれの「a poker hand」を見つけていくことが、キャリア形成のうえで大事だと思いますね。

——まずは自分に必要なカードを探すこと。次に集まったカードで何ができるのかを考えていくこと。これが自分のキャリアを作っていくうえで大切ということですね。今後、読者が転職を意識するうえで、念頭に置いた方がいい考え方などはありますか?

これからは世界一の会社が増えていくと思うんです。例えば、自動車の世界一はトヨタ自動車株式会社かGM(ゼネラルモーターズ)ですよね。ですが、この自動車というカテゴリを「電気自動車」とするとどうでしょう? 現在の1番手はテスラに変わります。

こうした細分化は今後も進んでいくでしょう。僕がDellに入社した時期は、日本国内にもPCのメーカーは数多くありました。富士通株式会社、NEC(日本電気株式会社)、シャープ株式会社、株式会社日立製作所……それが今はどうでしょう。多くの会社が撤退あるいは事業売却を行い、かつての存在感を失いつつあります。しかし、今なおビジネスの現場で数多く目にする機会のある国産PCメーカーがあります。わかりますか?

——パナソニック株式会社のレッツノート、でしょうか。

その通り。レッツノートは今なお圧倒的なシェアを獲得しています。これはビジネスユースの世界で1位だから残っているということだと思うんです。世界中の誰もが使っているブランドでなくとも、特定分野ではナンバーワンになれる。シェアナンバーワンということは、誰かしらに強く必要とされているということ。そういう点からも、僕は「小さな世界一」を探すことがその人のキャリアにとって重要だと思うんです。そうした企業にはポテンシャルがあるし、選択するだけの価値があると思います。

——言葉は悪いですが、1番以外の会社に行く必要はないと?

それは考え方が違います。売り上げやシェアで1番、2番と単純に比べることは、キャリアを選択するうえで間違いにつながりかねません。例えばトヨタ自動車と日産自動車が見た目も中身も全く同じクルマを作っていればそうですが、実際は全然違いますよね?

——確かにそうです。

注視するのは大きな意味でのマーケットシェアではありません。「この会社のこの分野は伸びる」という見方です。これからの転職や就職で大切なのは、「この会社に入りたいではなく、この会社のこの領域の仕事がしたい」だと思います。たとえば「マツダ株式会社でディーゼル車に携わりたい」といったかたちです。

——HubSpotでインバウンドマーケティングの仕事がしたい、といったようなものですね。

そういった考え方です。大切なのは、就社ではなく就職という意識です。そのなかで、あなたが思う小さな世界一を見つけていく。これが良いキャリア形成につながっていくと思いますね。

——非常に貴重なお話をありがとうございます。それでは最後に、伊田さんが今後HubSpotの日本法人として目指していく方向性をお聞かせください。

正直を言って、どこまで大きくなるのか想像ができません。PCやSaaSを販売しているころは来年の伸び率が見えていたんです。ただ、HubSpotは見えない。なぜなら、マーケティングを実践している日本企業の全てが導入する可能性があるのですから。

このようにアンリミテッドにポテンシャルはありますが、やみくもに販売していく手法は選択しません。インバウンドマーケティングを推奨している会社ですからね。気付いたらHubSpotに触れていた。そんな世界はそう遠くないと思いますよ。

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