探そう、まだ見ぬ未来を。

人工知能の未来

最新テクノロジーで渋谷の街が「海」に——
「BIT WAVE SURFIN’」をレポート

BizReach Frontier編集部レポート

多様な未来を考える1週間

現在、渋谷で開催中(9月17日まで)の都市回遊型イベント「SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2018(SIW)」。「都市回遊型」というワードになじみがない方も多いかもしれないが、アメリカの「SXSW(The South by Southwest)」をイメージすると分かりやすいのではないだろうか。開催期間中、各商業施設やイベントスペースに設置されているブースに足を運ぶことで、さまざまなソーシャルイノベーションに触れることができる。つまり「SIW」とは、渋谷の街全体を舞台とした巨大フォーラムであり、今日もいたるところで、新しい“ひらめき”や“きっかけ”が生まれている。ビズリーチ社の「キャリトレ」も「SIW」に協賛しており、現在「キャリトレ」上では「SIW」協賛企業の求人特集を掲載している。

「ダイバーシティー(多様性)」というキーワードを掲げていることもあり、それぞれのカンファレンスやワークショップが取り扱うテーマは、アート、エンタテインメント、テクノロジー、福祉、教育、LGBTなど、非常に多岐にわたる。あなたも、渋谷の街に足を運ぶことで、好奇心を刺激され、未来につながる知見に触れることができるかもしれない。

ビットウェーブで、新たなサーフィンを体験

今回、「BizReach Frontier」編集部は、イメージソース、NTT、カケザンによる共創プロジェクト「BIT WAVE SURFIN’」への取材を行った。

渋谷のマークシティで開催されている体験ブースに近づくと、「この夏、渋谷の波でサーフィンしよう!」というキャッチコピーが目を引く。

ブースに足を踏み入れると、足元にサーフボードを模したデバイスが3台設置されている。ブースを取り囲むようにL字型に組まれた、幅4.5メートル、高さ3メートルの巨大スクリーンには、「グリコビジョン渋谷」に設置されているカメラが捉えた、スクランブル交差点のライブ映像が映し出されている。

いざサーフボードに乗り、スクランブル交差点の信号が青になったら体験スタート。まず、交差点を行き交う人々の流れをリアルタイムで反映した「ビットウェーブ」が自動生成される。そして、その迫りくる波に合わせて揺れるサーフボードを、バランスを取って乗りこなす。その体験はまさに、渋谷という海を舞台にした「サーフィン」であった。

最先端テクノロジーによって、渋谷の街を「海」に

予測のできないスクランブル交差点の人の流れを分析するにあたっては、最先端のテクノロジーが利用されているという。今回の企画に携わったイメージソースの担当プロデューサー、ディレクターに話を聞いた。

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・加藤雄也氏(プロデューサー)

今回の企画のテーマは、「街とスポーツ」です。スポーツというと、多くの方が“競技スポーツ”を思い浮かべますが、今回は、もっと街とリンクしたスポーツをデジタルの力で生み出せないか、という発想から「BIT WAVE SURFIN’」が生まれました。

「BIT WAVE SURFIN’」には、NTTの深層学習ランタイム高速化技術が用いられています。渋谷の街のシンボルでもあるスクランブル交差点を行き交う人々の数や属性を、リアルタイムで検出します。そして、検出データから男女比や年齢構造をリアルタイムに解析。その結果を受けて、波の映像演出、サーフボードの動き、サウンドが変化します。

現代の日常生活には、さまざまなテクノロジーがどんどん取り入れられています。しかし、テクノロジーが身近になった分、私たちは、街全体を取り囲むようなテクノロジーの存在に気付きにくくなっているのかもしれません。今回の体験が、街とテクノロジーのリンクについて考えるきっかけになったらうれしいです。

デジタルの力で、スポーツ体験を「拡張」する

・藤牧篤氏(チーフクリエイティブオフィサー/アートディレクター) 

海まで足を運ばなければプレイできないサーフィンは、本来とてもハードルが高いスポーツだといえます。しかし、デジタルを駆使して新たな解釈を加えながら、多くの方々が触れることができる場を利用することで、サーフィンに興味を持ってもらえたり、体感することで、さらに印象に残る体験作りができるのではないかと考えました。

イメージソースではよく、オンラインだけではなくオフラインにおいても、デジタルを使った体験作りを行っています。「BIT WAVE SURFIN’」においては、前半の人流解析の結果を受けて、後半の映像演出がさらに変化します。本来のサーフィンの良さを尊重しながら、「街の中で行うサーフィン」という新たな設定を加えた、非日常的な体験ができる場を作りました。ぜひ何回も乗って楽しんでいただきたいです。

イメージソースはこれからも、既存の体験をアイデアとデジタルの力で「拡張」し続けていきます。そのためには、いくつもの領域をつなぎながら、力を発揮できるチームを作る必要があります。新しい体験を実現するために、さまざまなバックグラウンドを持った人たちに集まってもらい、自分たちが楽しいと思えるモノゴトを作っていきたいですね。

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「BizReach Frontier」では、これからも最先端のテクノロジーや、それにまつわる企業について紹介していきます。テクノロジーの進歩に合わせて、これからの時代にどのようにキャリアを築いていくか、一緒に考えていきましょう。

取材・文:松本侃士(BizReach Frontier編集部)

(記事掲載:2018年9月14日)

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