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人工知能の未来

リスク回避に特化した革新的なビッグデータ解析

株式会社エルテス

ネット炎上や情報漏えい、レピュテーションダメージなど、 デジタルリスクの検知や解決力が最大の武器

IoTやビッグデータ、AI(人工知能)などのIT技術、そしてソーシャルメディアが加速度的に発展する今、ネット炎上や情報漏えい、内部不正などの新たな課題が多々発生している。特に近年、日本では外部からの攻撃(クラッキング)以上に、内部不正の発生が顕著だ。企業の経済犯罪の要因において、内部不正などの内的要因は、諸外国では約60%であるのに対し、日本は約80%に達する。

内外部どちらのリスクも、事前対策と多層防御の強化だけでは防ぎきれない。そんな認識が広まるなかで、新たなアプローチとして「事前検知」が注目を集めている。その最前線に立ち、リスクに特化したデータ解析のソリューションを提供しているのが、株式会社エルテスだ。

顧客には名だたる企業が名を連ね、その数は350社を上回る。売上高は前期比45%増を見込むなど、成長目覚ましいベンチャー企業だ。

この急成長の主軸には3つのビジネスモデルがある。ネット炎上などを検知する「リスクモニタリング」、リスク発生から沈静化まで支援する「リスクコンサルティング」、そして2016年にスタートした“予兆”を捉える「リスクインテリジェンス」だ。

これらを個々の顧客ニーズに合わせて多角的に展開し、ソーシャルリスクにおいて群を抜くトータルサポートを可能にしている。今や大手企業や行政からも信用を得るまでの急成長を見せるエルテス。自社独自のテクノロジーによって収集したビッグデータ解析と、そこから導き出されるソリューションの提案力に迫った。

顕在化するリスクの“予兆”を見抜く

「今、ニーズが高まっているのは『リスクインテリジェンス』です。企業の内部不正はいきなり発生するのではなく、それまでに動機、機会、準備という段階を経て起きます。この“予兆”を迅速かつ的確に捉えて、リスクがリスクになる前に防ぎます」と答えるのは紺野祐樹取締役兼事業本部長だ。

たとえば多様なリスクのなかで、内部不正対策の一例に退職希望者チェックがあるという。会社の人事規定や転職サイトをこまめに閲覧していたり、残業時間が急に減ったりといった行動パターンの変化を、各種ログデータから相関分析し、事前に内部不正になり得る要因、つまり“予兆”として検知するのだ。

「ログデータを蓄積している企業はありますが、それを何か起こった後の原因の特定にしか使えていないケースがほとんどです。これでは社内不正の防止にはなっておらず、真のソリューションとは言えません。問題になる前に検知する。または問題を見つけた後どうするかを体系化させる。ここにニーズがあり、弊社の存在価値があります」

2016年2月には内部不正検知サービス「インターナルリスク・インテリジェンス」の提供を開始。リスクが起こる“予兆”を検知し、対策をとるサービスで、ニーズの多さに手応えを感じているという。

これは急に生まれたサービスではなく、これまでの実績があってこその新規事業だ。エルテスは、2004年4月の設立時から企業のブランディング支援を実施。2007年からはソーシャルリスク事業をスタートさせ、大手企業から中小企業、個人事業者まで多種多様な業種のリスク回避におけるソリューションを提供してきた。

こうした、モニタリングやコンサルティングサービスの構築によるビッグデータ解析の技術力やノウハウが、今回のリスクインテリジェンスという新たなビジネスモデルを生み出す原動力になったのだ。また、前述の退職希望者のデータ解析などは、セキュリティ以外でも活用できる可能性があり、今後その相乗効果も期待できると言う。

顧客に合った解決策を迅速に提供

モニタリングは自社開発の独自システムで、365日24時間監視。SNSなどへの投稿でネット炎上やレピュテーションダメージによるイメージダウンに発展するものがないかどうか、チェックし続ける。さらに4時間に1回は目視し、万が一のときには緊急通知からクライシスコンサルティングも実施する。

「リスク検知の効率化を図るためのビッグデータであり、マーケティングです。日々、精度とスピードを上げる努力は続けていますが、機械やAIだけに頼り切ってはいません。最終的に判断を下すのは人。優秀なアナリストの監視・分析は欠かせません」と紺野氏。

顧客の悩みに寄り添い、業務内容を理解したうえで提供するソリューション。これがエルテスの最大の強みだ。それを裏付けるように、レピュテーションダメージにおけるリスクコンサルティングにも定評がある。

「10年前から2ちゃんねるなどのサイトはありましたが、当時ネット炎上などの被害が大きかったのはWebサイト運営側。企業の被害が増え始めたのはTwitterやFacebookなどのSNSが広まってからです。サイトに投稿されるコメントの真偽よりも、拡散されること自体が企業のイメージダウンになる時代。これを防ぐために、拡散される前にリスク投稿を検知し、拡散された場合は批判しているユーザーやメディア対応を支援する。さらに、ネット炎上が起きる企業は普段から情報発信がうまくできていないことが多いので、伝えるべき情報を正しくユーザーに伝える対策も行っています」

ネット炎上事例だけで約3,000件、ブラックユーザーアカウントも100万件近く蓄積されている。さらにデータマイニングと機械学習機能を持たせることで、顧客に合ったソリューションをワンストップで提供し、実行可能に。エルテスは、これが実に的確で速い。

目指すは、新たな社会インフラの創出

リスク対策は費用対効果がどうしても見えにくい。だが、一度失われた信用を取り戻すための費用は莫大だ。過去国内で発生した某大手企業の個人情報漏えい事件では、被害者に対する補償は総額約200億円を超えたといわれる。対策の必要性に気づいた企業の受け皿になるには、顧客との信頼関係がなくてはならない。そこでエルテスは信用されるのを待つだけではなく、積極的に動いて事業拡大を図った。

2015年に産業革新機構や大手企業からの出資を受け入れ、上場に向けた準備も進めている。顧客リストに大手企業が名を連ねることで、それが信用につながり、また新たな顧客へと広がる。これを機に顧客数は増加の一途をたどる。

「それだけ責任が重くなることも確かですが、大手企業との資本業務提携や、リスクインテリジェンスの事業拡大によって顧客数も伸びてきています。実際、事前検知型サービスが、新たにテロや犯罪対策のソリューション提供という領域にまで広がっています。2020年に東京で開催される4年に一度のスポーツの祭典に向けて、テロ活動や犯罪リスクの回避に向けた事業も進めているところです」

ソーシャルリスク時代の到来で、活躍の場は格段に広がり、存在意義も高まるばかりだ。平均年齢29歳という従業員も60名から80名へ。ゆくゆくは100名にもなる勢いを見せる。

「今までも、既存のシステムや市場でトップを狙うのではなく、自分たちの手でマーケットを開拓してきたという思いがありました。リスクを回避できる新たな社会インフラの創出。それが未来に描くビジョンです。そのオピニオンリーダーとして、フロンティア精神を忘れずに挑戦し続けます」

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